【米国株】インテュイティブ サージカルの収益を支えるビジネスモデルとは?

2020-08-01


Intuitive Surgical, Inc.は、「da Vinci」という低侵襲医療のための手術ロボットを提供している会社です。

低侵襲の手術が可能になれば、患者さんの体への負担が小さくなり、早く退院できるようになります。

また、病院側にとっても、入院患者の回転率を上げることができ、経営改善を行うことができるため、近年多くの病院で手術ロボットが導入されています。

今回は、ビジネスモデルに絞って、その強みを分析していきます。

Intuitive Surgical, Inc.のビジネスモデルとは?

Intuitive Surgical, Inc.は、「da Vinci」本体(50万ドル-250万ドル)をまず売り、その後、「da Vinci」に装着する手術器具(1器具当たり700-3500ドル)と、サービス(年8万-19万ドル)で継続的に収益を上げるモデルとなっています。
※手術器具は、消耗品であり、一定回数使用すると、買い換えが必要

Intuitive Surgical, Inc.ホームページより引用


Intuitive Surgical, Inc.「Q2 2020 Intuitive Investor Presentation」より引用

つまり、高額な本体を買ってもらうことでロックインし、その後、継続的に消耗品購入や保守管理・トレーニング等のサービスを提供することで、収益をあげています。

ここで、Intuitive Surgical, Inc.の収益にとって重要なポイントを2つ提示してみたいと思います。
(1)1病院あたりのda Vinciを用いた手術数
(2)da Vinciを導入している病院数

(1)1病院あたりのda Vinciを用いた手術数

1病院あたりのda Vinciを用いた手術数が増えれば、消耗品を高頻度で購入することになり、収益が増えることになります。

ここ数年の手術数を見てみると、「General Surgery」(一般外科)および「Urology」(泌尿器科)が増加しているようです。

Intuitive Surgical, Inc.「Q2 2020 Intuitive Investor Presentation」より引用

泌尿器科のイメージがつきにくいですが、国内だと、前立腺がんや腎臓がんに対しての治療のようです。

東京女子医科大学では、2011年に「ダビンチ」を導入。
泌尿器科では、前立腺全摘術(前立腺がん)や腎部分切除術(腎臓がん)で使用しています。
特に、腎部分切除術については年間150例以上行っています。

東京女子医科大学病院 泌尿器科 腎臓病総合医療センター ホームページより引用

1病院あたりのda Vinciを用いた手術数を増やすには、多くの種類の手術に対応できるようになる、あるいは、手術数の多い病気の治療に使われるようになる、ことが重要だと考えられます。

da Vinciがどのような手術に新しく使用されるようになったか、を継続的にウォッチしていきましょう。

(2)da Vinciを導入している病院数

もちろん、営業を行い新規開拓していると思いますが、勝手に広がる仕組みがあると、より嬉しいですね。

da Vinciでは、遠隔地から操作できる機能があります。
日本では、まだ安全性の確認や指針作りが必要なフェーズであり、実現していませんが、将来的には、アメリカにいる医師が、日本の病院にあるda Vinciを操作して、手術を行う、なども実現するかもしれません。

遠隔地からの手術が実現すれば、da Vinciはネットワーク効果を持つようになると考えられます。

つまり、da Vinciが導入されている病院では、より高度な手術を受けられる可能性が出てくるため、そのような高度な手術を行いたい病院や離島などの医師不足が懸念される病院で導入されるモチベーションが高まると考えられます。

da Vinciを導入している病院が増えることで、Intuitive Surgical, Inc.が得る強みとは?

da Vinciには、医者の操作ログ=手術ログ、のデータが大量に蓄積されているはずです。

大量の手術ログを解析することで、より最適な手術方法・手術器具の開発、あるいは、医師へのフィードバックなどが行えるようになります。

手術ログを独占してしまえば、研究開発を行うときの大きな強みになり、競争優位を維持することができるでしょう。

da Vinciを導入している病院の数、増加ペースあたりは、定期的にウォッチしてもいいかもしれません。

Intuitive Surgical, Inc.「Q2 2020 Intuitive Investor Presentation」より引用

まとめると、手術ログを大量に蓄積し、遠隔手術の実現、医師のトレーニングなどを行えるda Vinciは、単なる手術ロボットではなく、手術のプラットフォームになるのではないか、と考えられます。

Intuitive Surgical, Inc.の最新ニュースと株価は?

エンジグラフを活用することで、Intuitive Surgical, Inc.の最新ニュースやプレスリリースなどを簡単に収集することができます。

ぜひ、活用してみてください。

Enjigraphを利用する

また、YouTubeでは、Intuitive Surgical, Inc.の最新の業績と株価への影響を分析しています。

ぜひ、YouTubeもチェンネル登録よろしくお願いします。

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