エンジグラフの最終的な目標と現在地

2021-07-07


Enjigraphも開発から、早くも2年半がたち、試行錯誤をしながら、一つの軸が出来つつあります。


そこで、一旦、Enjigraphの目指すところと現在地を整理したいと思います。
(試行錯誤し続けたことにより、目指すところが明確になってきたことで、現在地も整理されたという、逆説的な流れですが)

Enjigraphの最終的な目標は、「ユーザーがAIを活用し、自分の知識・経験・思考をデジタル化できるプラットフォームを生み出すこと」です。

この発想自体は、最近の流行りの言葉でいうと、「デジタルツイン」になるかなと思います。

ただ、いきなり「デジタルツイン」をメインに据えたサービスを作るのは、ハードルが僕には高すぎるので、第一歩として、ユーザーの「思考」を再現するモデルを、情報検索・情報探索に活用できるサービス AI「Enjigraph」を、2018年末より開発・運用しています。

では、なぜ、第一歩として、ユーザーの「思考」を再現するモデルを、情報検索・情報探索に活用できるサービスを作ったのか。

それは、「情報検索・情報探索」サービスであれば、下記2つのことが実現可能だからです。

(1)少ないリソースでも、ユーザーの「思考」を再現するモデルを開発可能

(2)ユーザーの「思考」を再現するモデルを活用することで、大きな価値を提供可能

(1)少ないリソースでも、ユーザーの「思考」を再現するモデルを開発可能

まず、Enjigraphで考えている、ユーザーの「思考」を再現するモデルについて説明します。

人間の日々の判断というものを考えると、何かしらの情報を得て、過去の経験や知識をもとに思考し、その結果として、何かしらの判断を行うことになります。
情報→ブラックボックス(過去の経験や知識+思考)→判断

つまり、「情報」を入力すると、ブラックボックスでいろいろあった結果、出力として「判断」が出てきます。

この「情報」と「判断」の関係性をモデル化することで、ユーザーの「思考」を再現するモデルを生み出すことができるのではないか、と考えています。

ユーザーの体験や知識を全部記録し(そもそもこれが困難ですが)、それをもとにモデルを作るのは難しそうだが、「情報」と「判断」の関係性をモデル化することで、過去の経験や知識、その人の思考パターンなどが含まれているモデルを生み出すことができるのではないか、という考えです。

例えば、午後からの天気予報が、雨だったとしましょう。
あなたは、降水確率や空の様子を見て、傘を持っていくかどうかを考えると思います。

その時、過去の経験や知識に加えて、雨が降れば、ビニール傘を買えばいいか、のような思考をした結果、何かしらの判断(傘を持っていく、であったり、雨が降ればビニール傘を買うことを前提に傘を持っていかない、など)をします。

その思考をモデル化するに当たっては、あなたが得た情報と最終的な判断の関係性を知ることができれば、過去の経験や知識を知ることなく、あなたの思考を再現できることになります。

つまり、あなたの判断パターンを明らかにしていることになるのですが、パターン認識こそ、AIが得意とすることです。

この例のように、ある程度「判断」の選択肢が限られた状況においては、モデル化を行うことが可能であり、「情報検索・情報探索」であれば、「有益である」か「有益でない」の主に2つの選択肢になるため、開発の難易度が大きく下がります。

(2)ユーザーの「思考」を再現するモデルを活用することで、大きな価値を提供可能

このモデルでは、ユーザーがなぜ有益だと判断するのか、あるいは、その情報を何に使うか、までは考慮できません。

しかし、有益な情報を得た先のアクションはユーザーに任せると割り切り、ユーザーの代わりに有益な情報を見つけてくることに絞れば、大きな価値を提供できるサービスになるはずです。

何を行うにしても、情報収集の重要性は明らかですが、有益な情報を探し出す作業は、大きな労力を伴います。

大量に情報を見たものの、そのほとんどが有益ではない情報であれば、時間の大半を無駄にした気分になるうえに、モチベーションが大きく下がり、その後の作業もなかなか進まないことが多くあると思います。

自分の「思考」を再現するモデルを使って、AIが自分の代わりに、情報収集を行ってくれるなら、それに越したことはないのではないでしょうか。

ユーザーは、有益な情報を受け取るところから作業をスタートすることができ、その後のよりクリエイティブな作業に多くの時間と労力を費やすことができます。

単なる情報検索・情報探索ツールではなく、ユーザーがよりクリエイティブな作業をする時間と労力を生み出す手助けをするサービスになると考えています。

まとめ

ただ、まずは「Enjigraph」をもっと多くの人に知ってもらって、使ってもらわないと始まらない。

現在地は、Enjigraphの軸が固まり、やっと少しずつ利用してくれるユーザーが増えてきた状態です。

ここから「より多くの人に広める」ための戦いが始まります。

大きな目標を達成するためには、小さい一歩を確実に歩んでいくことが大事なのであると実感する日々です。

長く快適に使ってもらえるサービスにするために、今日も頑張ります。

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